今年も桜の季節がやってきましたね。
あちこち桜を見に行ったり、娘が風邪をひいたりしまして、ちょっと更新が滞ってしまいました。。。
今日は、
幼稚園や保育園の入園祝いのプレゼントをお探しの方や、入園祝いに何を贈ればよいのかわからない…とお悩みの方に、ぜひオススメしたい素敵な絵本を2冊ご紹介したいと思います。
入園という、初めての集団生活を迎える子供に伝えたいメッセージがたくさん詰まったストーリーで、どちらも読んでいてたくさんの元気や勇気がもらえます!
この春入園を迎えるお子さんだけでなく、入学、進級進学など新しい生活を迎える皆さまや、これから新しい環境で生活をスタートされる大人のかたにもぜひおすすめしたい素敵な絵本です!
絵本のストーリーとともに、私が絵本を読んで感じた「子供の入園を迎える “親” としても忘れてはいけない大切なこと」なども、私見を交えてお伝えできたらと思います。
左から、
It's Okay To Be Different /〈日本語版〉ええやん そのままで
後から知ったことですが、日本語版のええやん そのままでには、原作の英文も一緒に書いてあるそうです。
娘の英語の勉強にもなればと思って原作を選びましたが、書いてあるなら日本語版にすれば良かったー!
I Like Me! /〈日本語版〉わたしとなかよし
保育園や幼稚園の入園は、子どもにとって初めての集団生活のはじまりです。新しいお友達や先生などとの出会いがたくさんありますね。
様々な人との出会いは、価値観や考え方の違いや得意不得意なことの違い、外見の違いなど、様々な「違い」に出会うことにもなります。
限られた人間関係の中で過ごすということは、言わばその違いと向き合って生活を共にするということでもあり、その違いを受け入れられることもあれば、なかなかすんなりとは受け入れられないこともあります。
この「違い」とどう付き合っていくのか、これは子供自身がこれから時間をかけて、他者との関わりの中で学びながら、自分なりの答えを見つけていくものだと思います。
It's Okay To Be Different(日本語版 ええやん そのままで)
これはアメリカの絵本作家トッド・パールさんが平和を願って書いた絵本の一つで、出版社より内容を引用しますと、
「ええやんそのままで」「あんたはあんた」と、いろんな場面でリズミカルに語りかける。「歯が抜けても平気」だし「長い鼻も丸い鼻も大切な鼻」で「体の色もいろいろ」「髪の毛がなくてもお洒落する」多様な“わたし”を楽しみながら受け入れられるようになり、多様な他者も認められるようになる。
原作なので英語ですが、このようなカラフルでシンプルな可愛いイラストとともに、多様な他者について明るく「It's Okay(ええやん)」と語りかけてきます。
助けが必要だったり、鼻の形が違ったり
色が違ったり、髪の毛がなくても
耳が大きくても、車いすに乗っていても
どんな大きさでも、
メガネをかけていても、自分の気持ちを言っても
お行儀悪いことをしても、NOと言っても
遅くても、好きに踊っても
親が違っても、いいんだよ
ありのままに、あなたらしく生きるからこそ、あなたは特別でかけがえのない存在なんだよ
***
他にもいろいろとありますが、長くなるのでこのくらいに。
原作のタイトルの通りに言えば「違っていてもいいよ」といった意味になりますが、
「違っていてもいい」「ええやん そのままで」
これは自分と他人のどちらに対しても言える言葉ですよね。それから子供に対しても。
この絵本は、多種多様な人種が住むアメリカだからこそ生まれた絵本とも言えるかもしれまん。
読んでいると、人との違いを認めてくれる"アメリカの良さ"のようなものが伝わってきて、とても暖かい気持ちになるし胸にジーンとくるものがあるし、たくさんの元気や勇気をもらえます。
お風呂でマカロニ食べてもいいじゃんと言ってしまえる寛大さも素敵ですね。
この絵本から伝わるメッセージは、他者にも自分にも「同じ」を求めがちな日本人にも必要なものかもしれません。
様々なものごとを人に合わせたり、人にもそれを求めたり。
謙遜文化のある日本では、まだまだ自分は半人前だなどとなにかと自分に厳しくなりがち。
頑張り屋さんが多く、できることも人と同じレベルを求めてしまう。
私は日本人らしさのようなものが嫌いではないし、むしろだからこそ成し得た芸術文化や技術発展などがたくさんあると思っています。
しかし、自他に「同じ」を求めることは、生きていくうえでは苦痛になることがあります。
自分との違いが気に食わなくてケンカをしたり、羨ましくて妬んだり、自分に自信が持てなくなったり。
親なら誰しも、可愛い子供の幸せをただただ願っていることと思いますが、そもそも人が幸せになるためには、何が必要なのでしょうか。
お金持ちでも、美人でも、天才でも、自分で自分が幸せだと思えなければ、たとえ他人から見て幸せに暮らしているように見えても、それは幸せな人生とは言えません。
私事ですが昔、同じ職場に才色兼備で高給取りで、私からしたらとっても羨ましい生活を送っているように見える先輩がいましたが、本人は自分はあの人より劣っているなどと常に他人と比べて満たされない気持ちで過ごしていて、実はあまり幸せではないのでは?なんて思いました。
物理的な幸せが十分に満たされていても、精神的幸せが満たされるわけではない。
きっとこの先輩は、完璧主義で負けず嫌いな性格が裏目に出てしまっていたのかもしれません。
この競争社会の中で、人と比べずに生活することはなかなか難しいことかもしれません。
しかし、同じ考えの者が集まってもまたその中で意見が分かれ、強い者や頭のよい者が集まってもまたその中で順位がつけられる。
人にそれぞれ違いという「個性」がある以上、自他に「同じ」を求めることは無意味であって、自他の違いや、ありのままの自他を認めることで初めて、人は幸せになれるのかもしれません。
つまり、自分にも他者にも、
「違っていてもいい」「ええやん そのままで」
と言えるスキルが必要ということです。
では、そのようなスキルはどうしたら身につくのでしょうか。
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I Like Me!(日本語版 わたしとなかよし)
こちらもアメリカの絵本作家、ナンシー・カールソンさんの絵本で、色彩豊かな可愛いイラストがとっても素敵で、見てるだけでキュンキュンします 笑
テレ朝の世界が愛した絵本の内容がわかりやすかったので引用させていただくと、
主人公はブタの女の子。“私には、素敵な友達がいるの。それはね…わ、た、し!お絵描きしている時も、自転車をこいでいる時も、本を読んでいる時も、私はひとりぼっちじゃない。失敗しても大丈夫。だって私はいつも私と一緒。素敵でしょ!”
自分を信じる気持ち、そして自分を大事にすることの大切さを教えてくれる絵本です。
こちらも原作のほうなので英語になってしまいますが、絵本の一部を簡単にご紹介しますと、
わたしの素敵な友達は… わ・た・し!
何をするにも、わたしは わたしと一緒
わたしのことが大好きだから、
わたしが喜ぶことをいっぱいしてあげる
くるくるしっぽも、まあるいお腹も、小さな足も、みんな大好き
失敗しても大丈夫
また作ればいい
いつだって、わたしは わたし
ね、素敵でしょ!
***
なんだかクスッと笑えるような愛らしいブタさんがとっても可愛いくて、見ているだけでハッピーな気持ちになれるし、自分を信じるという忘れてはいけないことを改めて教えてくれます。
そして私が思うに、このI Like Me!(自分が好き!)という「自己肯定感」こそ、自他を認めるスキルではないかと思うのです。
ここで注意したいのは、「自己肯定感」と「自己愛」は似ているようで、まったく違うものだということ。
自己肯定感が高い人は、生まれ持ったポテンシャルや能力、生まれ育った環境、過去の失敗やダメな自分も全部ひっくるめて、ありのままの自分を自分で認め受け入れることができます。
生きていれば、楽しいことばかりではなく辛いことや悲しいこともあります。
子供はこの先、様々なストレスと向き合い乗り越えていかなければなりません。
子供が何かにつまづいても、親が手を差し伸べられるようなことばかりではありません。
“自分で立ち直る力”が必要になってきます。
そのような力を身につけるには、子供の精神的な成長もさることながら、まわりに助けを求めるスキルも必要になります。
ものごとは一人で解決できることばかりではないし、一人で解決するにはハードルが高すぎる場合もあります。
そして、そのようなスキルを身につけるには、自己肯定感が高くないと難しい。
自己肯定感が高い人は、年齢や職業、役職の違いなど、他者との関係に優劣をあまり意識することなく、「人間としてはみな対等だ」という価値観を持つため、自分はまわりに助けてもらう価値のある人間だという考えを持つことができる。
だからこそ、自然と誰かに助けを求めることができるし、弱いものに優しくできるし、他者と心から信頼関係を結ぶこともできる。
人は一人では生きていけない、助け助けられながら生きていくもの。
カッコ悪い自分も含めすべてを受け入れ、自分を信じて自信を持って、面倒くさがらず恥を恐れずに、困ったときは誰かに助けを求める。そして誰かが困っていたら助けてあげる。
自他を認めるスキル「自己肯定感」こそ、子供が自分らしく前向きに人生を歩んでいくための大きな糧となると私は考えています。
今回ご紹介した2冊の絵本は、内容はまったく異なるけれど、とても近いところで繋がっている気がします。
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子供の自己肯定感を育むために
突然ですが、「毒親」という造語をご存知ですか?
子供に対する暴力、暴言、育児放棄、過干渉などで一種の毒のような影響を子供に与える親のことなのですが、当然のことながら、このような毒親のもとで育てられた子供に自己肯定感は育ちません。
こちらのサイトによると、
世間的には「子供思いの良い親ね~」と世間では言われるような教育熱心な親、
いっけん、仲良し親子などに見えがちな過干渉タイプなどの分かりにくい毒親の
パターンもあります。
自分がもし気が付かずに毒親になってしまっていたら?と不安になり私なりに調べてみたのですが、そこで思ったことは、
明らかな虐待や育児放棄については論外としか言いようがありませんが、暴言や過干渉などについては、かなり厳しい目で見たら、もしかしたらどこのご家庭でも可能性があるかもしれない?ということ。
親も一人の人間。それぞれ個性があるし、マニュアル通りにできる完璧な人間などいませんし。
しかし、子供は育て方次第で、天使にだってモンスターにだってなり得ます。
子育てに正解はないとは言いますが、育て方や愛情の注ぎ方を間違えてしまえば、子供の将来に及ぼす害は計り知れものに。
では、親はどのように子供と向き合っていけば良いのでしょうか。
私なりに導き出した答えは、オーソドックスなことではありますが、
子供に結果を求めない。
子供を信じて見守る。
どんなに些細な一歩でも、一緒に喜び褒めてあげる。
子供の話にしっかりと耳を傾け、親の価値観や理想を押し付けない。
子供が生きていく上で必要な規範意識を育むしつけをする。
いけないことは、子供と同じ目線に立ってしっかりと伝える。決して人と比べず、子供の人格を否定するような言葉を使わない。
家庭の事情などでどうしても受け入れられないことがあれば、面倒くさがらずに子供と一緒に妥協点を見つける。
もしも子供を傷つけるようなことをしてしまったときは、言い訳せず素直に謝り、繰り返さないよう努める。
そして最後に、自分の自己肯定感を高める!
毒親が毒親になってしまう理由には、毒親自身が自分の人生に不安や恐れを抱いていたり、心が根本的に不安定なところがあるからだそうです。
少し話がそれますが、I Like Me!の主人公のブタの女の子、自信に溢れたキラキラした姿がとても素敵ですが、それと同じくらい素敵なのがママの姿!
ママはあまり目立たないところにいて、一見、子供の心配などしていないような雰囲気にも見えますが、よく注目して見てみると、子供のやる気をさりげなくサポートしながら、いつもそっと後ろで子供を見守っています。
その表情はどんなときでも穏やか。それは子供の心配をしていないからではなく、子供の可能性を根本的に信じているから。
過干渉せず守り過ぎず、放置放任するのでもなく。
私にはそんな風に見えました。
子育てとは、親が子供の前に立って引っ張っていくのではなく、あくまで子供が主役、親は子供が自分らしく生きられるように見守りサポートする役に徹するものだと思う。
子供は親の一部ではない。思うようにもならない。親の考える「同じ」を押し付けてはいけない。違っていてもいいじゃないか。
でも、いつも後ろでしっかりと見守って、もし子供が道を間違えそうになったら軌道修正をしてあげる。そうやって一緒にゆっくり進んでいけばいい。
子供が自分を信じて前に進むための自信も勇気も、すべては親しか与えられないのです。
おわりに
今回ご紹介した2冊は、価値観が凝り固まってしまう前に、柔軟な幼い子供のうちにぜひ読んでほしいし、世界中のたくさんの子供たちに読んでほしいなぁと思う素敵な絵本です。
そして、ぜひ親が読み聞かせをしてほしいです。親の言葉の影響力は大きいから。
新生活やこれからの集団生活が、皆さまにとって楽しいものになりますように。
そして、子供たちの未来が平和でありますように。
賛否両論ある内容があったかもしれませんが、そのような願いをこめて、この絵本を私見を交えてご紹介させていただきました。
初めての門出を迎えるお子さまに、こんな素敵な絵本のプレゼントはいかがでしょうか☆
それでは、今日はこの辺で。
It's Okay To Be Different /〈日本語版〉ええやん そのままで
I Like Me! /〈日本語版〉わたしとなかよし